2025年の振り返り

クリスマス・イブ礼拝も終わり、2025年も暮れようとしている。季節の挨拶も兼ねて皆様の御多幸をお祈りする。

今年は1月に65歳になったことで変化を感じる年となった。65歳になると年金が出る。また、割引されるものもある。私の場合は、都立9庭園共通パスポートを購入した。2,000円で1年間小石川後楽園や六義園などに入場できる。

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散歩のついでに気楽に寄れ、既に20回以上使っている。もともと優良でも時折入っていたが、パスポートが4,000円から半額になるとハードルが下がり、ちょっと短時間立ち寄るという使い方が増えた。

割引とは関係ないが、図書館で本を多く借りるようになった。今年は12月22日の時点で37冊。振り返ってみると、内容が思い出せない本が多い。インパクトが大きかったのは、田川建三の新約聖書、マルコ伝、マタイ伝を読んだ。来年も読むだろう。後印象に残ったのは札幌誕生あきらめません!ロストハウスでどれも面白かった。世界最凶のスパイウェア・ペガサス口語訳古事記は確かに読んだという記憶がある。現時点での最後の一冊は移動と階級だった。

ディスカウントのもう一つは、文京区のプールで、65歳以上は約半額(550円→280円)となる。

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こちらは、安くなったから回数が増えるということは無いが、ありがたいことはありがたい。

エストニアでは、鉄道の65歳以上割引があり、タリン・ナルバ間は13.30ユーロ→9.70ユーロに変わった。日本円にして往復1,300円程度の割引となる。ストックホルムも1日券がSEK180がSEK110になる。日本円で1,100円程度の割引だ。欧州の物価は高いのでランチ代にはならないが、それでもありがたいことはありがたい。今年は使わなかったが、ニューヨークのMTAでも65歳以上(Valid passport from any country)は半額になる。来年は申請しようかと思う。

国内にせよ、海外にせよ、(国外からの渡航に耐えられるような)元気な人への割引が本当に必要なのか疑問も残るが、制度は制度なのでありがたく使わせていただく。

2025年の海外渡航は平年通りの2回。春のアメリカ

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と秋のヨーロッパ。

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今年のアメリカはニューヨーク経由ボストン、ヨーロッパはベルリン経由タリン、タリンからのDay Tripでストックホルム(冒頭のグリーティングカードの写真はドロットニングホルムホルム宮殿のあるローベン島からの眺め)、ベルリン・タリン移動日にポツダムに立ち寄った。ベルリンは二回目だが、ポツダムは初めてで、宮廷公園の広大さが印象に残った。以下の画像はポツダム宣言の建物(王宮の一つで極めて質素なもの)。

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国内長距離移動は札幌と奈良。日程の問題で残念ながらDrupalCon NARAには参加できなかったが、Drupal Association CEOと打ち合わせのために日帰りした。

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ようやくLocal Drupal Association Japanの設立に向けて一定の賛同が得られ、動き始めたのは大きな喜びである。

今年の大きな変化は、MIERUNEの監査役を8月に早期退任したことだ。4年契約を2年で解消した。社長交代があったので、辞退を申し出た。収入的にはダメージだが、それから3ヶ月を経て振り返ると、その判断は間違いではなかったと考えている。この年齢にもなれば、もはや金のために働くのは望ましい選択ではなく、自他共に役に立っている関係でなければつまらない。無論、やりたいことをやるためにはお金も必要だから、収入源は探さなければならないが、結局は自分の付加価値を上げていく以外に道はない。来年は新たな挑戦の時期となる。

もう一つ変化を感じたのはAIの台頭だ。社会全体がちょっと浮足立っている感じがするが、AIのインパクトは恐らくインターネットの出現より大きい。ただし、インターネットが本質的に通信路であったのに対して、AIはコンテンツのレイヤに属する革命的改革なので遥かに安定性が低い。使わないわけにはいかないが、依存するにはあまりに脆弱である。私は、ツールとしての有用性はとても大きいと思うが、社会インフラにはなり得ないと考えている。しかし、コスト効果を考えるとインフラに組み込まれていくことになるのは間違いないだろう。破綻しないようにどう利用するかには知恵を絞らねばならない。

小さな変化では、マイナンバーカードの更新、パスポートの更新、免許証の更新が重なった。マイナンバー制度は、義務化と利用解放の視点で改定が必要になっていると思う。パスポートの更新はマイナンバーカードのおかげで楽になった。免許証の手続きは2026年2月頭になるので未経験だが、更新手続き予約サイトではマイナンバーカードの有効期限が2035年までしか入れられないため、私の場合の2036年の正確な情報を入れることができないなど、日本のデジタルガバメントの惨状を感じられる。行政の本質的な改革が避けられないと思う。体育会系の政治は脱却しなければ将来は暗い。改革の成果を得るには最低でも5年はかかるだろうから、いち早くデジタルガバメントへの取り組みに着手すべきだろう。保守は亡国である。

タリン長期滞在は5年目で今年は雪のない年だった。ごく僅かに雪が積もった日が一日(11/25)だけあった。

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結局スノーブーツの出番はなく、ただ往復運んだだけとなった。その後、一日だけとても寒い日(11/27)があったが、以下の画像の通り、その後は氷点下になることもなかったのである。

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前後するが、ボストンはかなり不便なところに宿を取ったのだが、とても高価だった。4泊で1,313USD。一泊あたり5万円弱である。ニューヨークも2泊652.15USD。ほぼ互角で宿代だけで30万円。アベノミクスという博打に負けたことは明らかで、高市も同じ間違いを犯しかけているが、彼女は踏みとどまれる可能性があると見ている。2026年のGCUCはニューヨークなので、多少は改善していると良いなと思っている。タリンの方は宿は一泊1万円強なのでずっと楽だが、今の円安状態でなければ、7,000円位だったわけで、輸出産業優遇を否定するものではないが、長期視点で見れば失政は明らかだろう。保守は亡国なのだ。

問題の無い国などどこにもないが、雇用の安定性に関しては日本は高すぎる(雇用流動性が低すぎる)と思う。捨てる神あれば拾う神ありという言葉もあるが、捨てられない制度は拾う機会を削ぐ。タリンでも失業を繰り返した人と話して短期的には厳しい面があるのは間違いないが、雇用流動性確保、国民の納得を得た金銭解雇の合法化は不可避だろう。時代は動くから、何が正解かは変わる。しかし、過去の制度を過度に守る保守的な姿勢は変化に弱い。そして、無理に通そうとすると排他的になって自滅の道を歩むことになる。もちろん、慎重な検討が必要だが、守りに回って失うものは多い。一方で、人的、物的、事的品質は、決して蔑ろにされるべきではない。全てを最高水準に保つことは困難だが、他国の良い部分について学ぶ姿勢は足りていないと今年も思った。

欧州の人にせよ、米国の人にせよ、私と親しく接して下さっている方は、日本のことを見ている。彼らのほぼ全数が今年私に言ったのは女性総理大臣の誕生おめでとうという言葉だった。同時に中国問題も憂慮していて、不要な挑発は好ましくないと考えている人も多かった。トランプの評価は著しく低いが、表立って対立しても益はなく米国が民主主義国から離脱しても世界が成り立つ道を探るほうが良いという印象だった。そして、エストニアではロシアを止められないようでは欧州は持続可能ではないと強く考えている人が多く、中国の横暴さに日本が対抗したくなる気持ちは十分理解されている。しかし、人口の多さ、経済規模の大きさ、EVや家電でも、スマホやドローンでも実証されている技術力の高さを外から客観的に見れば、噛みついても何ら益は無いだろう。差別を煽るものが台頭しなければ、共存できない相手(個人)はほとんどいない。

個人的には、日本も目立たないところで脱レアアースなどで結構良い技術開発は進められていると考えており、脱炭素の深刻化が進むのは間違いないだろうから、水素技術もやがて採算分岐点が大きく変わるだろうと考えている。余計な挑発を行うよりは、風向きが変わるまできちんと生き残る施策を模索した方が現実的だろう。人によって意見は異なるから国としての決断(多数意見)がどうころぶかはわからないが、平和が保たれ、日本ファーストとかではなく、日本を含めた世界各国の社会福祉が向上する方向に動くことを期待している。当たり前だが、不正は抑止しなければならない。

健康面では、まあまあ良かったと考えている。11月末の段階で歩行距離が3600kmを超えているので、1日あたり10kmを超えている。概ね時間あたり4〜5kmで2時間程度まじめに歩いて後はちょこちょこ歩いた分という感じだ。水泳は100km超で、昨年と同等。ただし、歩く時の足の上がりは低くなっていて、転ぶほどではないが、つまづきやすくなっている。やはり老いは否定できない。歯科医は治療不要と言うが、顎関節症の不便さを感じることがあるし、副鼻腔炎も気になることがある。

もし人生100年とすれば、ちょうど3分の2に達しようというタイミングだ。これから34年間をどう過ごすのかをしばしば考える。過去34年と似たような感じで社会に関わっていくことは現実的には不可能に近い。ではどうすれば良いのか、私には30余年の余生などとても考えられないから、新たな道を探す以外の選択肢はない。

まあ、まずは精神面を含めた健康の維持を優先して今後も歩みを進めたい。

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