令和ファシズム論読了。書評『令和ファシズム論』井手英策著を読んで借りた。とても刺激的な本だった。
今から10年前、2016年に分断社会を終わらせる ——「だれもが受益者」という財政戦略 井手英策著 古市将人著 宮﨑雅人著で分断社会という概念を提案した方である。
筑摩書房の内容紹介で「「ファシズム前夜」を経験した、かつての日本とドイツに光を当て、両国がファシズムに屈した背景を、財政史という観点から分析。」とあるように、国家経済の視点で過去と未来について書いている。導入部から心を掴まれたが、「第四章 ファシズムの条件をさぐる――ドイツとの対比から」で背筋が凍る思いがした。なぜ英雄待望論に向かうかを財政から解き明かすアプローチの説得力は大きい。
終章の「エクストリーミズムをのりこえる」のまとめも秀逸だと思った。「①中間層をふくめた広範な人びとの生活不安」から始まる8項目は高校生でも十分理解できるだろう。タイパでAI要約を読むのでなく、きちんと頭から読んで考えてもらいたいと思う。
MMTは博打だ。アベノミクスは博打に負けたが、暗殺によってある程度失速した。しかし、今安倍の亡霊が高市を骸にして独裁、英雄待望論を煽っている。チーム未来を除けば、ほぼ全ての政党がMMT礼賛に近い状態の今、多くの人に読んでいただきたい一冊だと思う。
絶賛。