暗号資産はじめました3 ENS名はNFTだった

暗号資産はじめました2 信用とは金の裏付けかENS名takayuki-hagihara.ethを取得したと書いた。何となく、DNSのアナロジーで考えていたので、Onamae.comに依頼して、DNSレコードの有限の権利を買ったというイメージでいた。

EtherscanでWalletを見ると、Tokenに1と出てきているのがわかる。そこをクリックしたのが冒頭の画面だ。つまり、ENSというトークンを持っているということで、明細としてNFTを1つ持っていることが分かる。このView NFTをクリックすると以下の画面が出る。

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Token Standard: ERC-721とある。ERC-721はNFT(Non-Fungible Token)の標準で、日本語の解説では「Blockchain Biz » ブログ » ERC721とは?NFT(代替不可能で唯一無二なトークン)を作る標準」が分かりやすい。この記事では、ENSについては触れられていないが、スマートコントラクトの内容は、有効期限付きのName Serviceの登録・維持サービスそのもので、その契約がNFTになっているということだ。言い換えると、私(のWallet)が、ENS: Deployerに作ってもらったNFTを購入したということでもある。

そして、NFTは取引可能である。取引市場を提供しているOpenSeaで、hagihara.ethで検索すると以下のようになる。

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右側のtakayuki-hagihara.ethは私のNFTで、hagihara.ethは時価約7万円で売りに出ていることが分かる。新規発行は、約2,500円なので、この売り手は、概ね20倍以上の値段をつけていることになる。DNSでも同じような商売はあるからそれ自身は驚きではないが、少し考えるとNFTとして取引できることはすごいことであることに気がつく。もしこの値段で取引が成立すればその瞬間に権利が移って、名前を指すアドレスを書き換えることが可能になるはずだ。

例えば、DrupalのWebのテンプレートを作ってさくらインターネットに1年間ホスティングするサービスがスマートコントラクト化されていたとすると、それをNFTとして販売することができることになる。NFT化できれば、さくらインターネットに断ることなくそのサービスを他者に譲渡できるということだ。サービスインテグレーションも変わる。個々のサービスがNFT化されていたとして、統合サービスをNFT化すると、結果として得られるサービスが取引可能になるということだ。

NFTをトレードカードのようなもので説明されてもピンとこなかったのだが、サービスがNFT化可能だという実例をENSで理解してしまうとこれはとんでもないことだというのがじわじわと腹落ちしてくる。

魅力的なサービスがNFT化されるようになると突然はずみがついて一気にブレークするような気がしてきた。

ぱっと考えると証券のNFT化を思いつく。そう思って検索したらNFTは証券か?という記事が見つかった。最後の部分にOpenSea等に対し、

証券販売には特別なライセンスが必要で、それには税申告などに関して多かれ少なかれ面倒な種々の要件が伴う。ずっと小さな暗号資産プロジェクトでも、登録できているのだから、オープンシーは間違いなく登録できるだろう。様々な規制上の要件も、面倒ではあるが、間違いなく実施可能だ。

と言及している。この下りは、私の言葉で言う証券の「NFT化は可能か?」という問いに対して恐らく可能だという意見である。もちろん、関連して様々な問題が起きるだろうが、銀行や証券業などの既存金融業に破壊的な影響を及ぼす変化は不可避だろう。

もちろん、サービスのNFT化はファンドのようなものに限らない。インターネットがそうであったように欲望に根ざすサービスが大きなドライバになるだろう。安全性を高める必要性もでるから、全く新しいタイプの雇用も相当生まれるのではないかと思う。この分野でも匿名性のコントロールが重要になるのは間違いないだろう。