人が減る社会で起こること

ルポ 人が減る社会で起こること 読了。日経の「(短評)『人が減る社会で起こること』工藤哲著」に書かれていたので借り出した。その短評に書かれているように人口減少社会の厳しい現実を描くのは主に2章までで「人が減る社会で起こること」というよりは、「秋田県で起きていること」が書かれているので表題がミスマッチだと思った。ただ、この書籍を手に取ることで気がつけたことは少なくない。

都道府県 人口で検索すると政治山の記事が出てきた。

トップ5は

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ボトム10は

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秋田県(11,637km2)は、38位で最下位の鳥取に比べればまだ多くの人が住んでいるが、世田谷区(58km2)が92万人なので、人口密度は200分の1程度となる。鳥取県(3,507km2)は江東区(43km2)の人口と近い。人口密度で考えれば秋田県は鳥取県の約半分となる。人口密度下位は、以下の通り

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全国47都道府県の人口ランキング・面積ランキング・人口密度ランキング

データを見ていて気になったのは、平均年齢だ。秋田県は平均年齢が47都道府県で一番高く、2位の高知より1.65歳高い。50歳以上の県は9あるが厳しさを感じる。一番平均年齢が低いのが沖縄の43.46歳で、次が東京の45.25歳だ。私は、この45歳にもショックを受けた。アメリカ38歳(ニューヨーク36歳)、中国40歳、フィンランド43歳、ノルウェー39歳。

常識的に考えて平均年齢が高くなれば、人口減少は進む。秋田は6%減、岩手、青森、高知が5%前半の減、沖縄が2.3%増、東京が3.9%増。平均年齢が47.5歳を超えれば例外なく年1%以上の人口減となっている。

「第1章 人口減少の現在地」の最後の2節「秋田は「高齢者の声ばかり」」、「秋田の危機は全国に拡大する」で触れられているが、一度高齢化がある段階を超えてしまうと、活力のある社会を取り戻すのは非常に難しいことがわかる。

第3章の中盤に「石破首相の演説ににじむ「日本海側」の心情」という節がある。石破氏は鳥取県出身、平均年齢49.25歳、人口減少率約3.5%で、秋田県とともにかつて、北前船のような繁栄の歴史があり、文化的な成熟度の高さを感じると同時に、衰退期に入った感じは強い。石破氏は「子どもの頃「裏日本」と聞くたびに、悲しかったです。悔しかったです。昔日本海側のことは「内日本」と申しておりました。太平洋側を「外日本」と呼んでいました。明治維持台の頃に一番人口が多かったのは新潟でした。…」と演説したという。49.25歳を下げ、人口減少を止めるのは容易ではない。国から金を取ってくれば何とかなると考えた夕張の破綻は教訓としなければいけないだろう。少し気になるのは、福岡県。日本海側だが、45.9歳、約0.7%の人口増を達成している。実際にその地に行くと勢いを感じる。外国人比率も高めだ。

第4章では多様性の欠如について触れられている。まずは女性が活躍できるようにならなければどうにもならないのが現実で、外国人との共生も欠かせない。本書では秋田県に明るい未来を想像することはできなかったが、第4章にかかれているような可能性が花開くかもしれない。

蛇足となるが、スウェーデンは平均年齢を何度か下げることに成功している。それでも上昇を止められていないが、学ぶべきことはあるだろう。北欧は成熟した大人の国という印象があるが、平均年齢は日本より低い。どのような国の形、地方の形を現実的な方法で目指していくのか、老いた人は若い人との会話を重ねながら考える必要がある。

個々の民間活動はともかく、国や地方は博打的な手法ではなく、長期を見据えた施策を検討しなければいけない。若い人にも50年後、100年後を考えてもらわないといけないし、年長者はそれを支える責任がある。そんな気持ちにさせる書籍であった。手に取ったら、最後まで読んだほうが良いと思う。

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