与党が負けたのは想定の範囲内だったが、比例代表が自民12、立民、国民、参政が共に7になったことは興味深い。自民、立民には慣性での得票があるだろうから、実質的には国民、参政に大きな追い風が吹いていると考えることができる。一時的な風か、大きな変化のはじまりかは時間を経ないとわからないが、得票率も上がり新たに政治に関心を持った人が増えたのは間違いないだろう。
一方、「自民党の旧安倍派議員4割減 党内勢力、24年衆院選前から変化」は恐らく不可逆変化だと思う。幅広い意見を許容してきた自民党はもう維持できそうにない。自民党内のリベラルな勢力が立民と手を結んだとしても過半数の支持は得られないだろうから、多党並立の時代を迎える可能性が高い。利点も欠点もある。
NY Timesは論評記事「In Japan, Anti-Establishment Parties Resonate With Young Voters」を出している。
参政党に対する糾弾記事は多い。一例としては「「日本人ファースト」と「お前ら日本人じゃないだろ!」の巻(雨宮処凛)」がある。主張は真っ当だと思うが、参政党は政治に無関心だった人を引き寄せることができた。憲法素案はかなり危ないものだが、どうやら本当に支持者の声を拾い上げながら作っているようだ。もちろん、指導部の誘導はあるだろうが、それはどのような政党であってもあるものだ。感情的な意見であってもきちんと評価し、同時に事実を直視せねばならない。具体的には、高齢化が進む国が強い国を目指すのは現実的ではない。国内の経済も外国人の助けを借りずに維持することも困難だ。感情的に望ましいと思う形と、現実的に達成可能な形を、冷静に評価しなければより良い未来を作っていくことはできない。夢だけでは足りない。
投票を行えば、投票した候補者や政党に関心が向く。すぐ忘れる人もいるかも知れないが、また投票の時期は来る。
解釈はそれぞれだが、事実に向かい合うという観点では、石破氏、野田氏、公明党と共産党が優れているように見える。歴史があるということ、与党の経験があるということは伊達ではない。自民党の政治家がだめなわけではないが、もう自民党の寿命は尽きたと思う。
私は、石破氏の続投と、大連立を支持する。もう自民党は排他的保守派の期待を集められる可能性はないだろうから、2028年より前に政界再編は起こるだろう。学術会議にファクトチェックの機能も持たせたら良いと思う。ポピュリズムに持続性はないが、瞬発力は侮れない。平和を目指すなら、油断大敵である。