安倍晋三回顧録を読み終わった。
一言でまとめれば勉強になった。補足すれば、もしやりたいことがあるのなら、何としても権力にしがみつかなければいけないという現実を走りきった話と言って良い。それが、本当にやるべきことだったかについては議論は分かれるだろうが、彼はその思いに忠実だったのだろう。右派論客も多く出てくるが、彼ほど制度を変えた人はいないと思う。
私にとっては、最悪の為政者だったし、その暴走を止める僅かな期待を込めて国会周辺のデモに参加したこともある。しかし、束になって戦う人も彼の暴走を止められまかった。あってはならないことだが、山上が止めなければ今も国を壊し続けていたことだろう。
いくつも印象に残る話はあったが、一番はアベノミクスの話しだ。彼は他にどんな選択肢があるのだと言っていたが、アベノミクスが格差を拡大し、円安を招き、高市政権を生んだのは事実。彼は満足しているかも知れないが、国民は一部を除いて決して幸せになれていない。将来への負債は莫大だ。それが彼の願いだったとは思わないが、彼の価値観ではそれ以外の道は無かったのだろう。愚かなだけでなく真に罪深い。
世界平和を願う広島的な理想主義を踏みにじった罪は暗殺されても消えることはないと私は思う。
回顧録を読むと、本当に彼は自分がやるべきと思うことを現実主義的に追求した人なのだろう。それはそれで一つの生き方だと思う。歴史が彼をどのように扱うことになるのかは予断を許さない。アベノミクスのつけは既に深刻だが、今後彼が高い評価を受けているような国になったら、生きづらい人が大勢出るだろう。結局は主権者次第だ。