今週も福音のヒントに学ぶ。今日の箇所は「年間第5主日 (2026/2/8 マタイ5章13-16節)」。3年前の記事がある。並行箇所はマルコ伝9章、ルカ伝14章にある。
福音朗読 マタイ5・13-16
〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕13「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。
14あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。15また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。16
そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」
3年前の記事は短い。「「おまえはダメだ」「おまえなんかいてもいなくてもいい」「おまえがどうなろうが知らない」そういうメッセージ」が日本基督教団砧教会主任担任教師の金井美彦氏及び砧教会役員会の名称で私に向かって発せられているのは事実である」は間違いなく事実、あるいは真実である。明らかに腐っていると思う。古参役員を含め、生きている間に悔い改めて許される道を選択することを祈る。最低限、教会総意としてメッセージを撤回して謝罪してもらいたい。根拠を示さず弾圧している現状はカルト集団と呼ばれてもしょうがないと思う。
さて、福音のヒント(1)には、「「あなたがたは地の塩である」「あなたがたは世の光である」とイエスは断言しているのです。」とある。たしかにマタイ伝の箇所では、そう読むこともできるが、マルコ伝は「自分自身の内に塩を持ちなさい」とあるので、断言ではない。ルカ伝は塩気を失わないように注意せよという意味に読める。マタイ伝は、弟子に権威を与えようとする傾向が強く、現時点での私の感覚では、イエスはそういう断言はしなかっただろうと思っている。
「緩むな」というメッセージとして受け取ったほうが良いと思う。並行箇所にない「ともし火」の話もあったとすると、発信も怠るなというメッセージも同時に発せられたと受け取ることができる。強すぎる塩味は分断を産んでしまうが、必要な場合には躊躇ってはいけない。
若い時には、本質的に正義の側に立つことという意味でこの箇所を解釈した。自分が地の塩だと言われているとは思わなかったが、地の塩たることを目指せと教えられたと思った。その記憶から50年以上経過して思うことは、地の塩たることを目指すべきということは変わらないが、本質的な正義とは何かをわかることは極めて難しいという経験的な理解である。社会常識は変わるし、自分に風が吹いている時にはある種の万能感で不適切な判断をしてしまったこともある。本当に大事だと思うことは大事にしないわけには行かないが、その判断はその人が置かれている社会的環境の影響を受けていて、全く目に入っていない判断を左右する事象が存在する可能性が常にあることを忘れることもできない。
ちなみに塩(ἅλας (halas))という言葉は、並行箇所を除くとコロサイ書でしか出てこず回数でも4節8回だけで用いらているだけだ。逆に言えば、マタイ伝、ルカ伝ではマルコの記事を参照して書いたとしか考えられず、マタイはそこに強い解釈を加えたと考えるのが適切だろう。コロサイ書は現代では執筆者がパウロである可能性は低いと考えられている。英語版Wikipediaでは「もしこの手紙がパウロの著作集の真正な一部ではないとみなされるならば、その年代は1世紀後半、おそらく西暦90年頃になる可能性がある。」とあり、既にマルコ伝が成立している時期となり、パウロはこの説教を知らなかったが、コロサイ書の記者は知っていて、行動規範の一つに含めたと考えることもできるだろう。もちろん、ルカ伝はパウロ後だから、パウロはその説教を知らなかった(同様の内容を説かなかった)ため、マルコ伝を引用してさらっと記載しておいたという感じなのではないかと思われる。
「あなたがたは世の光である」の光(φῶς (phōs))はマルコ伝では1回出てくるが全く用法が異なるもので、こちらはヨハネ伝冒頭から多用されている。教会の権威形成に用いられた言葉と考えて良いだろう。
ある意味では、聖書の言葉をそのまま盲信するのではなく、直接神に聞け、イエスに聞け、聖霊に聞けという話でもある。そういう意味では、コロサイ書4:2からの勧めの言葉は素直に受け取っても良いかも知れない。
※画像は、The Light of the World (c. 1904-1904). St Paul's Cathedral, London。黙示録で、イエスが世の光として戸を叩くシーン(関連Wikipedia)。私の受洗時(19歳の時)に選んだ聖句の場所を描いたものでもある。