国内の購買力が落ちていることがホスピタリティ産業の国際競争力に影を落としているのではないか

hagi に投稿

2024年6月3日の毎日新聞に「もはや外資の草刈り場!? 日本の高級ホテル「不都合な真実」」という記事が出ていた。私はアメリカに行くときは安めのマリオット系列のホテルを利用している。booking.comと比較して2〜3割程度高くても安心感がある。欧州では倍程度になるのでマリオット系列を使うことは稀だが、欧州でも系列化は進んでいる。マリオットはガンガンM&Aをやってホテル数は激増したが、顧客管理を含めたシステムの強化でサービスレベルは上がっている。むしろ、安めのホテルのお値打ち感が高まっているように思う。

一方、日本のビジネスホテルは少しずつ値上げは進んでいるが、相対的には激安でサービスレベルは高い。ただし、米欧と比較するとスタッフの頑張りで支えられている感が強く、システム化が進んでいる感じがしない。資本と経営の力のさかも知れないが、システム化投資、設備投資の彼我の差は埋めがたい感じがする。

コワーキングスペース、Flexも似たような感じがする。単立のスペースはともかくブランド多店舗化を推進しているベンダーがホスピタリティを向上させるためのシステム化投資を積極的に行っている感じがしない(知らないだけかも知れないが、感動したという感想を耳にしない)。省コストに対する投資はよく見られる。安いが正義ではつまらない。

引用した新聞記事は現実だなあと思いつつ、なぜこんなことになってしまったのか不思議に思う。日本国内のマーケットが大きかったので、外に出ていく、外国人サービスに目が向いにくかったことはあるのかも知れないが、人口減、高齢化の時代だから、日本国内のマーケットはどんどん縮んでいく。

もう少し追い詰められたら風向きは変わるのだろうか?

現実問題として、徹底的なデジタル化、ロボット化を進めていく以外の道はないような気がする。本気になれば、今でも世界一を目指せないことはないと思う。もちろん投資は必要だ。デジタル公共財への支出に対する減税措置を設定してはどうかと思う。無償でできる範囲が広がれば、同じ投資でより遠くまでいけるようになる。

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