WappalyzerのCMSのマーケットシェアはWordPressが68.3%圧倒している。ついで、WixとSquarespaceというクラウドサービスCMSが伸びていて、その次にJoomlaとDrupalがほぼ同率で追う展開となっている。
一方、Beginnar's Guide for WordPressの2023’s CMS Market Share Report – Latest Trends and Usage Statsによれば、見方が違うものの、
29.65% of the top 100 thousand websites use WordPress, and 29.41% of the top 10 thousand sites run on WordPress.
2.04% of the top 100 thousand websites run on Joomla, while 1.89% of the top 10 thousand sites rely on Joomla as their CMS.
6.82% of the top 100 thousand websites use Drupal, compared to 10.46% of the top 10 thousand sites.
と分析されている。上位1万サイトだと、WordPressが約30%とトップだが、Drupalが約2%のJoomlaを大きく引き離して10%強のシェアを獲得している。恐らく、インタラクティブ性の高いサイトに限るとさらにDrupalのシェアは高くなるだろう。Core機能の洗練度は極めて高く評価されているからだ。
フロントエンドとバックエンドの分離は今後進むだろうから、どこかのタイミングでDrupalの反転攻勢が始まると楽観視しているが、地方行政やNPOなどの規模はそこそこながら類似機能が求められ、かつ堅牢さが必要なユーザーに浸透する方策を考える必要があるだろう。
Drupalコミュニティの再編も起きるだろう。内製化するユーザーが増え、オープンソースインフラのレベルが継続的に高まっていくようなエコシステムを作り上げていく必要がある。もちろん、Drupalショップは健全に競争して大型化していくのが自然な流れだが、受益者がよって立つインフラに継続的な投資が行われないと持続性がない。
技術者の視点でも、競争して高度化、高収入を目指すのは自然なのだけれど、裾野が広がる方策に注力しなければ明るい未来は期待できない。初心者なんだけど、やがて本格的なコンテンツ管理をやらなければいけないと思っているような挑戦者が集うような環境が必要となる。言い換えれば、Ambitious site builderが集まりたくなる場と言ってよいだろう。自分のやったことを発表する、それにコメントを貰うことで、より遠くに行けるようになる。発表は書籍やブログでも良い。他人の発表を聞いて、自分がより遠くに行けるようになるために参考にする。組織的にコントリビューションを行うか、コントリビューションを行うプロジェクトやプレーヤーをホストできたらより良いだろう。上手くやれれば、自分が欲しい機能が多くの人にデバッグしてもらえるようになるから、当たればもっと遠くまで行けるようになる。多様性の高い開かれたコミュニティを指向することになる。
企業あるいは組織は競争力強化と社会的責任の両方で努力しなければ持続性を維持できない。自分が勝つことだけを目指しても幸せな未来はこないと思う。
※冒頭の画像は2023/05/23時点のCMS technologies market share by Wappalyzerから引用させていただいたもの。