先ほどまで、JLLのThe Road to Sustainability, from Greener Workplaces to Net Zero CarbonというWebinarを聴講していた。不動産業界でもCOVID19絡みの話題が圧倒的だが、カーボンニュートラル/気候変動対応/持続可能な社会への挑戦もちゃくちゃくと進んでいる。雰囲気が伝わってきて面白かった。
コワーキングスペースあるいはワークプレースの未来を考えていると、健康な暮らしとは何かという問いを避けることはできない。もちろん、感染症に強いオフィスも重要だが、環境に優しく人に優しいオフィスへ向かっていくのは必然である。今回のWebinarでは、the World Green Building CouncilのCEOと、SalesforceのChief Impact Officerがメインパネリストである。どちらも、女性であった。男性のモデレーターやパネリストはそのリードを受けて従来の商習慣との整合性をとりながら変化を助けるような位置づけに感じられた。
性別にこだわること自身が時代遅れな気もするのだが、命を大事にするところから考えるようなリーダーシップを発揮するタイプのリーダーには女性が圧倒的に多い気がする。日本の女性政治家でも結構剣呑な発言をするような男おんな風の議員が、貧困の問題に強いこだわりをもっていたりすることもある。主義主張とは別次元で何か根本的に見えている世界が違うのではないかと思わされる瞬間がある。
欧米でも依然として女性はかなり不利な立場に置かれていると思うが、女性の意見をかなり積極的に取り入れようとしている会社は増えているように感じられ、特にもともとかなり男臭い不動産業で女性の存在、あるいは女性の意見を聞こうとする姿勢が目立つようになった。そして、その意見の取り入れ方がビジネスの成功に役立っているように見えるのである。不動産関係のビジネスはかなり長期間を見据えたビジネス戦略が必要で、大手に限らずデータに基づく冷静な計画を立てられる組織が強いように見える。そして、そういう視点で考えている人たちは、もう持続可能性を考慮しないビジネスは生き残れないと考えているようなのだ。とにかく根性で打って来いという時代の終焉を見切っている。生から見る視点の重要性が高まっているのだろう。
ダイバーシティの問題とも言えるのだろうが、何となく議員、公務員にクオーター制を導入してしまった方が近道な気がする。同時に対立の構造ではなく、インクルージョンを機能させるスキルを多くの人が身につけられるようなトレーニングあるいは教育プログラムが必要となる気がする。まだ像を結んでいないが、大きなビジネスチャンスがあると思う。優しさが大きな影響力をもつ。
画像は、World Green Building Councilがカーボンニュートラルへのロードマップを表現したもの。この絵を見ていると、何となく男性が受け入れやすいように書かれている気がする。このロードマップの裏に、私達の世界の破壊を止めて、動物がいなくなったり悲しいことが起きないようにしましょうよ、という優しさを感じる。儲けてなんぼという競争と毟りあいの戦いが静かに否定されているのだろう。もちろん、生産活動そのものが否定されているわけではない。女性の台頭で、じわじわと時代は変わりつつある。