コワーキングスペースは今後増えるのか?

今日、「ウェブ座談会「リアルの場の価値再考」シリーズ 第2回:コワーキングスペース編」を聴講させていただいた。中々面白かった。最初に、もうコワーキングスペースは(私には)いらないという意味の刺激的な発言が出て、後刻(郊外型)コワーキングスペースは増えるだろうというコンセンサスがあった。

環境が整わなければ自宅は常時執務環境にはなりえない。家族や子供がいる環境では、仕事を優先するか家族を優先するかという問いに直面することは避けられない。だから、リモートワークが当たり前の選択の一つになった時には、自宅の外にワーキングスペースを求めるのは必然的な流れである。だから、コワーキングスペースが増えるという予想は恐らく的中するだろう。一方で、コワーキングスペースのメンバー継続期間は欧米では2年から3年という調査もある(Coworking survey)。出会いの場としてのコワーキングスペースは飽きる。長く留まる人もいるし、うまく行かなくなって去る人も、飽きてしまう人もいる。その中には、もうコワーキングスペースはいいやと思う人も少なくないだろう。実際、SNS等の普及で一定数の出会いを得て、ある種飽和状態になるともう物理的な場所はなくても良いかと思う瞬間は私にもある。

イベントやコワーキングスペース以外でも出会いの場所はある。例えば地元のおじいさんやおばさんが話している喫茶店でもある程度常連になると驚くほどの発見がある。今日は、ロ(ーカル)コワーキングという言葉も紹介されたが、出会いの喜びは素晴らしいものだ。コワーキングスペースが、そういう喜びを与えるスペースになったら良いのにと思う人も少なくないと思う。また、コワーキングスペースの運営者には、そういう偶然性をホストできる素晴らしい能力者も少なくない。

別に、99%は顔見知り程度で良いのだ。肩肘張る必要はない。機能面を含むデザイン性とホストの能力が伴えばコワーキングスペースは郊外型、都心型、リゾート型を問わず、今後必ず増えるだろう。

コワーキングスペースの経営と、コワーキングスペースの運営は似て非なるもので、経営能力を上げることと運営能力を上げることも違う。不動産の世界では、中層階の収益化のターゲットとして検討されているし、デジタル化が進めばハイタッチの価値も一緒に向上する。運営者には、人を見て、異なるものを受容できる能力あるいは訓練が必要となる。多少性差が出るかも知れない。ビジネスモデルの確立は、WeWork型だけとは限らないし、これから日本でも様々な事業者が本格参入することになると思う。