小さい企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)

ビジネスは、お金を払ってくださるお客様がいて初めて成立する。

お店を構えている事業者は、お客様が入店してくださらなければ収入は得られない。だから、「いらっしゃい」と呼び込みをする。盛り場に行くと、呼び込みについていけばぼったくられますと警告が発せられているが、営業職の訪問も、広告も、突き詰めれば呼び込みの進化系に過ぎない。

対面営業に頼っている事業者は、COVID-19で壊滅状態になった。一方、通販は売り物にもよるが順風、特にインターネットに強い業者には強い追い風が吹いているように見える。

何となく、もう太刀打ちできないんじゃないかと弱気になるケースもあるのではないかと思うのだが、私は、どうもそうでもないんじゃないかと考えている。例えば、新聞記事でスーパーの復活とコンビニの苦境が報じられている。地元密着の商売は、どうやら駄目じゃないようなのである。ナショナルブランドの商売と、ローカルな商売は同じものではない。

2000年頃、私はSaaSの前哨戦の中で戦っていた。その頃所属していた会社の戦略コンサルタントは、インターネット時代は"Winner takes all for a while"と言っていた。勝者は全てを得るが、それはしばらくの間だと曰わったのだ。強く印象に残っている。当時のバブルは9.11と共に表舞台から消えた。しかし、Amazonが通年黒字になったのは2003年。それから17年をfor a whileと言うのは適切とは言えないだろう。本当にすごいと思う。DXの魁である。

Amazonが永続するとは思わないが、Amazonは明らかに強い。しかも、結構謙虚で良く学ぶ。だから、カバー範囲はどんどん広がっているし、今後も広がるだろう。

しかし、恐らく全てをカバーすることはできない。本当のことは分からないが、恐らくどれだけAIを駆使したとしても、全てをカバーすることはできないだろうと思う。いつ、COVID-19や、別の想像できないような環境変化が起きるかは予想できないだろう。

ローカルな商売は、より簡単に環境変化に押しつぶされるように感じるが、リアルな人のつながりはグローバルな商売とは違う。多分、最大の強みは人のつながりだろう。ただ、人のつながりに甘えているだけでは生き残りは難しい。やはりDXにも学ばねばならないと思う。

改めて、提供技術を見てみると、実は、フリーソフトでも相当なことができる。もちろん、金のある企業と同じような策は取れないが、小さければやらなくても良いことはたくさんあるから、ほんの僅かな投資、あるいは月額費用でも戦う道はあると思う。

私自身、一人会社で小の小の小の小企業である。私も自社のDXに挑戦しようと思う。