5G、あるいはPrivate LTEは意外と一気にやってくるかも知れない

COVID-19の影響でWeb会議が急速にかなり当たり前のものになった。ネットワークの遅延は気になり始めるとかなり不快だ。ちょっとやってみればすぐ分かるが、Web会議で合唱はできない。仮に指揮に合わせて一律の遅延で声を出したとしても、他の人の声は自分の声より少し遅れて聞こえてくる。特に耳が良い人でなくても遅延が気になって、とても良い気持ちにはなれない。

昔、学校で音響に関わっていた頃、屋外会場で遅延の大きいワイヤレスマイクを使うと、自分の声がかなり遅れて耳に届くので、喋りにくかったことを思い出す。また、耳が遠くなった人のためにBluetoothのワイヤレスヘッドホンで講演(説教)を届けようとしても遅延は気になるのである。本人はともかく、ヘッドホンと実際の音が両方聞こえる人は大きな違和感がある。

5Gになると遅延は現在のLTEと比べても4分の1になると言われており、上手く行けば、普通の人であれば一応合唱が可能なレベルになる可能性がある。

Nokiaは盛んに4.9Gを宣伝していて、WifiのかわりにPrivate LTEを使うことを推奨している。実際、物流倉庫や様々なところで、基地局の切り替えの対応の素早さや、低遅延の良さが実用上の利点を出しているようだ。Wifiは基地局の頻繁な引き継ぎには弱いし、基地局あたりの利用端末が増えると様々な問題が発生する。ある程度高額な機器を導入すれば軽減できるが、LTEを利用する携帯電話の性能と比較するとその差は歴然である。

MulteFire等、免許が不要なPrivate LTEが手の届く金額で実現できるようになればメリットは大きい。スマホはともかく、まだLTEを搭載したPCやデバイスは限られるので、すぐにはそういう時代が到来するとは容易には思えないのだが、Wifiじゃない方法で接続すると遅延のないWeb会議ができることを体感したら、ムードは一気に変わるだろう。もちろん、キャリアのLTEが早くても高額ならバンバン使う気にはなれないが、Wifi同様、その向こうに優先のネットワークがあって従量課金が不要な環境があれば、LTEへの切り替えは急速に進む可能性がある。日本では、今も病院でよく使われているPHSの代替技術としてもPrivate LTEは注目されている。

実際にどのような変化が起きるのかを予想すれば鬼が笑うだろうが、Wifiはずっと続くだろうという常識は打ち破られるかも知れないと思う。コワーキングスペースでも、オフィスでも恐らく他人事ではない。

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