コワーキングスペースは街づくりの一環として考えられるようになるかも知れない

hagi2018/04/10(火) - 12:01 に投稿

JETRO/IPA New Yorkのニューヨークだよりで「米国におけるワーキングスペースの現状①」というレポートが発表されている。このページをご覧になっている方には既知の情報も多いと思うが、それでもWeWorkを含む大資本の躍進がデータで示されると考えさせられるものがある。

最後の識者のコメントの「コワーキングスペースという協働の空間(場所)が、そこで新しいビジネスや人間関係が生まれる空間になっているかに加え、各々が幸せに健康に働ける空間が用意されているか、地域コミュニティとコワークコミュニティに交流が生まれ、たとえ利用者が入れ代わっても、そこで生まれた経験やエネルギーが受け継がれる仕組みになっているか、が重要である」はその通りだと思う。

現在、コリビングに関わるイベントを準備中でいろいろと考えている。コワーキングスペースは単独でも成り立ち得るけれど、宿泊施設やカフェ、バー等の交流のハブとなり得る施設、観光施設や、街そのものとの複合的な関係があれば、付加価値が飛躍的に拡大する可能性があると思う。

既に欧州では(米国でも)、いくつかの地方自治体がコワーキングを中核とするような街づくりに取組み始めている。時代が変化し始めているように思う。キーワードはコリビングだろう。

コリビングスペースは、宿泊施設&コワーキングスペースである。ある程度長期の一時滞在のベースとなり得るサービスを提供している。安価であることが重要なケースもあるし、値はある程度張るが腰を落ち着けて取り組むのに適したスペースもある。会員制のコワーキングスペースとは違って、季節変動の影響は受ける。しかし、通常のコワーキングスペースでは期待できないレベルの多様性のある交流が期待できる。ノマドにとって魅力がある。

コリビング体験は、必ずしも単一の施設から全てを提供されなければいけないわけではない。よりイベント指向で祭りや花見と組み合わせたって良いし、街ぐるみで体験を作り上げても良いのだ。何らかのイベントをきっかけにして、興味のある都市や国、街に仕事をしながら1か月程度滞在してみるというのは、もし可能であれば魅力的に感じる人は少なくないだろう。デジタルノマド時代に適応した若者にとっては、そういった街を転々としながら1~2年で世界一周するようなライフスタイルがかつてのバックパッカーの代替ライフスタイルとして機能するかも知れない。コリビングスペースという施設そのものの可能性も興味深いが、重要なのは滞在型コワーキングの体験が提供できるか否かだと思う。

若者だけではなく、じじいだって動く。新たなライフスタイルが生まれようとしているのだと感じている。生活者側から見ると、自分がリモートワーカーとして成長しなければ手に入れることは難しい選択肢である。しかし、少なくとも私にとってはとても魅力的に感じるオプションだ。