固定資産税から空間税へ?

hagi に投稿

測地は固定資産税の課税の元ネタである。長らく続いてきた制度であるが、そろそろ3D化して良い時代が来たのではないか?

技術的には3D空間把握が手に届くようになって来たので、2D時代の課税システムからそろそろ進化しても良いのじゃないかとふと思ったので、もしそうなったら、どんな考え方ができるかと空想してみた。

どうやら空き家が増えてきているようだから、居住用の空間で実際に利用していない空間には高い税をかけたら、空間の有効利用率が上がり、再開発も進んで、皆が幸せになれるかも知れない。ちゃんと考えたら山ほど課題は出るだろうが、やれることはありそうだ。

オフィスの一人あたり面積は4坪弱と言われている。13平米である。賃貸物件の一人あたりの面積は約24平米という記事もある。厚労省の資料などを見ていると都市型で40平米あれば良い感じらしい。個人の空間として考えた場合60平米専有できていれば、まあ気持ちよく生きていけるという計算になる。1億人で考えると個人の空間は60億平米あれば良い。日本の面積は3800億平米で平屋思考で考えて60分の一の場所が必用な計算になる。ちなみに東京の面積は20億平米強で、2000万人だとすると平屋思考だと面積の6割が個人の空間に割り当てられないといけない計算になる。ありえない。

一方、3Dで考えると、天井が3mあれば立派だから、個人の望ましい占有容積は180立方mという事になる。

ちなみに、霞が関ビルの総容積50万立方mらしいので、単純に180で割ると約2700人分という計算になる。私が住んでいる文京区の人口は22万人なので、100本もあれば全員収容できる感じ。霞が関ビルだとちょっと大きく見えるが、25階建てにょきにょき位なら、ニューヨークの景色のようなものだ。

一方で、そういった詰め込みモデルで考えると、かつての巨大団地を想像してしまう。利便性の低下などの理由で、空間利用率が低下してしまうと悲惨である。本当は容量はあっても、使える容量が減ってしまえば人口密度が下がり、街全体の利便性に影響する。スーパーも外食産業も胃袋の数に依存するわけだから、人口密度が低ければやれることは限られてしまう。

例えば、地面を2Dで捉えて、その面積を実際に利用している(居住している)人(受益者)が均等割で税金を払い、所有者は、専有容積を3Dで払うような形にすると、利用者が減ると税金の重みで住み続けられなくなるので、人がいるところに移る。所有者は専有容積の有効活用ができなければ所有し続けることはできない。実利用者あたりの容積の下限を設定すれば、過度の詰め込みも抑制できそうだ。

改めて考えてみると、固定資産税が払えなければ、強制執行される可能性があるわけだから、実は全ての土地は借り物のようなものだと考えることができる。所有から利用への流れ、固定費から変動費化の流れと、2D固定資産税モデルから3D実利用ベース課税モデルへの移行は似ている。

生産性の議論をするなら、固定資産税モデルの見直しもやって見たほうが良さそうな気がした。