TheWeeklyDrop Issue 738 - July, 2nd 2026

TheWeeklyDrop Issue 738 - July, 2nd 2026 がとても面白い。購読しているので、毎週木曜日頃にメールで届く記事だが、今週号は特に面白かった。DriesのAI関連の2つの記事はもちろん読むべき記事だが、私が気になったのは、CoreのセクションとArticlesのセクションだ。

まず、Coreのセクションでは、Commenting Is Not Enabled in Drupal by Default AnymoreThe Standard Install Profile and Recipe Does Not Include the Tags Vocabulary Anymore 。最近Drupal coreは極小化に熱心で、デフォルトインストールは初心者に厳しい。もともとDrupalにインストール後どうすれば分からないという声はあったが、Drupal 11.4ではそれがさらに進んだ。今回触れられているコメントモジュールの評判は良いとは言えないが、blog等での利用ではコメント機能の例示の効果はあった。今は必須とは言えないが、インストールした瞬間に、基本ページと、記事が作成可能で、コンテンツにコメントがつけられる機能が用意されていたのは悪い話ではない。ただ、もう過去のこととしても問題ないだろう。また、従来記事(articleコンテンツタイプ)のフィールドでタグが定義されていた。だから初心者でもタグ付けをやってみることが容易だった。しかし、The Standard Install Profile and Recipe Does Not Include the Tags Vocabulary Anymore にあるように自分で記述しなければいけなくなった。Drupal coreは完全にプロ向けに変わったと言える。

もちろん、Drupal CMSが提供されていて、インストールした瞬間からできあがりをイメージしたサイト構築が可能となっているのでDrupal coreがプロ向けになってもローカル市場(日本市場)の多言語化の問題を除けば、何の問題もない。ただ、従来のDrupal関連サービス提供者はそれに慣れなくてはならない。ユーザーに対して説明責任が発生するし、技術者の教育も基礎固めが重要になる。AI時代に基礎を重視する姿勢を保つのは容易ではないが、ポピュリズムに走るよりははるかに良い。

Articlesのセッションでは、LakeDrops: Three Players, One Direction: ECA, FlowDrop, and MaestroThe Drop Times: Drupal Orchestration Spec Maps ECA, FlowDrop and Maestro が双子的な記事で、それに加えて The Drop Times: Andy Marquis Outlines Custom Field’s Role Alongside Paragraphs in Drupal が面白かった。カスタムフィールドと比較してパラグラフモジュールの有用性は認めるが、どうもモデリング観点ではCMSよりはWebサイト作成側に寄っている印象は拭えない。だから駄目だというわけではないが、モデリングに忠実な人たちと、だけどユーザーは見栄えにしか興味ないだろうという主張にカスタムフィールド側から望ましい解を提案していることに私は共感する。coreでSDCが導入されたことで、パラグラフ(やや見栄え重視)との距離は縮まったと思う。

CMSがコンテンツを中心に考えることに異議はないが、上記の双子的な2つの記事が想定しているような実際のサイト構築に関わる現実を考えればイベントに基づく処理を考えないわけにはいかない。それを全部担当者(維持運用担当者)に被せるのは許しがたい。LakeDropsの記事もDrip Timesの記事も視点に若干の差異はあるが、本質に迫る議論を「論文(articles)」セクションで発表している。好印象だ。

Driesは技術者でもあるが、経営者でもあり思想家でもある。そういったマルチリンガル的な才能を大事にしたいと思う。

※WeeklyDropのページに掲載されている2011年Issue 8のキャプチャが取られた頃は、ニューヨークから東京に戻って、脳虚血で聖路加に救急搬送された時期でもある。だからどうだというわけではないが、可能であればDriesのように技術者、経営者かつ思想家でありたい。順序は、思想家、経営者、技術者でも良いと思っているが、どうしても技術者魂がうずいてしまうのである。

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