Meetupでかいつまんで説明を受けたことはあったが、通しで落ち着いて見たのは初めてだ。もちろん、AIの話が大きいのだが、Drupal CMSがどこに向かおうとしているのかがわかりやすく語られている。
冒頭画像はスライドのP33で、サイトテンプレート(+マーケットプレイス)、Drupal Canvas、AIが3本柱になっている。サイトテンプレートは、Webサイトの目的別に作られたインストールセットで、cms 2.0.0-alpha2には、
Byte
Designed for a SaaS product website, this template includes landing pages, a blog, newsletter sign up and other features.
というサイトテンプレートが同梱されている。ただし、私の環境では、このサイトテンプレートでのインストールは上手く行かなかった。まだまだアルファだからしょうがないが、十分に安定したら、サイトテンプレート提供を商売にする企業は現れるだろう。OSSはタダと考えている人が多いけれど、実際には、不断のメンテナンスをしないと使い続けることはできないから、評判の良い企業の提供するサイトテンプレートを使い保守契約を結ぶのが現実的な選択肢となると思う。もちろん、自力で頑張るユーザーもいるだろうが、導入者の配置転換が困難になるなどの問題が生じるので、よほどシンプルか小さな組織でなければ現実的とは言えない。ユーザーからすれば素早く安価に望み通りのサイトを立ち上げて、安定的な運用ができるのが望ましい。かつてコンテンツ提供者が技術者で自前でWebサイトを上げるということが当たり前の時代もあったが、そのやり方でできることは限られている。自然な流れだろう。
Drupal Canvasはコンテンツオーサーができることを大きく拡大する機能でcms 2.0.0-alpha2に同梱されている。以前Experience Builderと呼ばれていたものだ。
スターターキットで立ち上げると何もコンテンツがない状態で、ユーザーページに飛ばされる。
左のPagesをクリックすると「Page not found」だけがある。Pageはコンテンツを作らなくても作成できるので、特定のコンテンツタイプを持たないページが作れるようになるのが新しい。
ちなみに、CMSをクリックすると以下のように、従来のコンテンツ一覧画面に相当するものが出てくる。
コンテンツタイプに関係する表示は、従来のレイアウトビルダーと同等。ただし、P51で触れられているように、Content Templatesモジュールを導入することで、Pageの中に組み込めるようになるのかもしれない。
後は、Drupal Canvasのドキュメントを見ながら組み合わせを含めて確認していくことになるだろう。
AIとの統合のところは、まだ正直言って何がすごいのかよく理解できていない。コード生成への応用は、既にいくつものデモでそのすごさを感じているし、マイグレーションへの応用も実データからのコンテンツタイプの生成とコンテンツ取り込みなど、ある程度想像可能な範囲である。ある程度ユースケースを見て、実応用を考えていくことになるだろう。
勢いのあるプレゼンだったし、実績も積み上がってるのはよく分かった。開発スピードも大したものだと思うけれど、まだまだ本格利用までには距離がある気がする。まずは、Drupal CMS 2.0の正式リリースを待ちたい。