今朝のERRの記事に10 Russians denied entry to Estonia on first day of Schengen visa ban(シェンゲンビザ制限初日に10人のロシア人がエストニアへの入国を拒否された)という記事が出ていた。日本のパスポートを持っていると、短期訪問でビザが必要なケースは少ないが、自由な渡航ができない地域は広く、人口で考えれば大半の人にとっては渡航は容易なことではない。
シェンゲンビザについてググって見たところでは、シェンゲン圏の国が発行することができるもので、ロシア人でもCビザがあればシェンゲン圏の国で入国できる。そして、シェンゲン圏内では基本的にパスポートコントロールが無いので、域内で自由に移動することができる。私が新婚旅行で欧州を訪問した頃は、列車での移動でも国境で止められて車内でパスポート審査が終わるまで動けなかった。今は、シェンゲン圏の空港でパスポート審査を受ければ、後はパスポートの提示が求められることはない。
今回、エストニアでシェンゲンビザで入国できなかったのは、シェンゲン協定では、他国が発行したシェンゲンビザを拒否する権利があり、エストニアが自国で発行したシェンゲンビザ以外でかつ正統な目的が認められないケースで制限をかけたことにある。EUでロシア国籍の人のシェンゲンビザの発行を停止しようという協議はあったが、一致は得られていない。時事通信はEU加盟国間に温度差 ロシア人ビザ発給停止という記事を出している。エストニアの判断はInterior Ministry: Legal basis exists for restricting EU tourist visasで報じられている。
統計的なことは分からないが、渡航先で犯罪に関わったり不適切な行為を行う人は、どこの国籍の人であれほとんどいないと思う。本当は、国籍がどこなのかより、その人の行動がどうなのかの方が重要なはずだ。公的サービスや医療サービスの負担をどうするかという話になると国家間の取り決めが必要になるが、それが深刻な問題となるケースは稀だろう。
私は、国籍で移動の自由が制限されるのは変だと思う。
デジタル化の時代は、国が国民を管理するモデルから、個々の国民が主体となるような人権モデルを確立することができると思っている。