今日は休暇にすることにした

自己隔離2日目(政府基準だと1日目)

休暇にすると何が変わるというわけでもないのだが、仕事をしなくても良い日にするという決断だ。実際には仕事もするけれど、仕事をしない日に決めた。何だか、疲れが出たのである。

自己隔離用のホテル部屋の執務環境は良好とは言えない。机が狭いのと椅子が長時間座るのに適さないのでここで2週間過ごすのかと思うと気が滅入る。窓から見える景色はきれいで滑走路が見える。離着陸の音は聞こえるがうるさくはないし、明らかに本数が少ないのでむしろ寂しさを感じるほどである。朝食ビュッフェも使い捨て手袋を使うなど、感染対策は相当丁寧で立派なものだ。ただ、日本のホテルは部屋で寛いだり執務する想定になっていなくて、数日滞在する場合でも寝たり風呂に入ったりするだけの場所として最適化されている感じがする。もちろん、米欧でも個々のホテルによって相当に違いはあるが、部屋の広さとは関係なく、デスクと椅子は使える設定になっている。日本のホテルの多くは前は鏡で化粧台のような感じ。

今日疲れている理由の一つは、昨日、入国の際には膨大な紙に圧倒された点にある。今回の旅程では途中、チューリッヒ、ワルシャワ、アムステルダムを経由したし、シェンゲン圏内でも入国審査は行われていたが、全部デジタルだった。Passenger Locator Formはどこも大差ない。日本もWebサイトから入れるのだが、ここでメールアドレスを2度打ちさせるところからダサい。他の国では、まずメールアドレスを打たせて、そのメールにリンクを送る。そのリンクを踏むところから手続きが始まるので同時に到達確認もできていることになる。滞在先住所もドロップダウン方式になっていて親切なつもりなのだろうがやたらと時間がかかる。だいたい、本当に何をやらなければいけないかがちっともクリアになっていないのだ。目的に基づいて設計されたUIではなく、紙の申請書を設計してそれをページにしただけのイメージで本当に機能するのか意味不明である。ちょっと考えてみれば、連絡が確実に取れるようにすることと、どこに泊まる予定なのかがわかればよいはずで、ホテル名が特定できていればホテルの住所など入れさせる必要など感じられない。住所を書かせると決めたら意味がなくても書かせるといういわゆるお役所仕事の典型だと思う。

安全を守るためだから、手間がかかるのはしょうがないが、デジタル化が進んでいないとむしろざる状態だと思う。膨大な紙を渡されても、何の目的のために何をしなければいけないかがさっぱりわからない。言われるままにやるべきとされることはやって入国はできたのだが、激しい疲労が残った割には、やってきたことが本当に役に立ちそうな気が全然しないのである。現場の方は丁寧で親切だったが、何か根本的に制度設計が間違っているような気がする。せめて、Once Onlyポリシーの方向に向けて制度を再整理しないと無理やムダがなくならないだろう。

※画像は最初の関所で渡された紙。ここで0に丸がついたことで、いきなりあなたのホテルは仙台ですなどと言われないことがわかってほっとした。この後、唾液を絞り出して渡してから、滞在先登録関所、アプリインストール確認関所を経て検査結果待機場所を経て最後のお裁きどころで陰性証明のピンク色の紙を受け取ると入国審査に進むことができる。ちなみにその紙にはID情報はなくただ当日のスタンプが押してあるだけだ。それなら、画像の紙にその場でスタンプを押せばよいだろうと思うのだが、入国審査官を統括する法務省と厚労省の合意でその紙が必要になったのだろう。日本政府の悲しい現実を象徴している。