タルトゥはエストニアの文化の中心と言われている。せっかくの週末なので思い切って行ってみることにした。駅を降りると雪景色だった。
タリンとは雰囲気が全く違う。旧市街は大学の街でラエコヤ広場は小さめで、ロボットの展示があった。ちょっと感動した。文化に厚みがあると感じたのだ。
一方、旧市街を出ると立派なモールもあれば、50mプールもあった。ペテロ教会のある高台は高級住宅地で、モールのある辺りはソ連時代を想起させるアパートが並んでいる。しっかりとした作りに見え、統制感はあるが悲壮感はない。
片道2時間強で夜明け前の8時にタリン駅から乗車し、戻ってきたら16時半頃で既に真っ暗になっていた。
小旅行とは言え疲れたので、ホテルに近いモールで前にも食べた店に入ってカルボナーラと赤ワインで早夕食。あらかた食べ終わりそうな頃に日本人5人+1の集団がお店に現れた。こちらに来て初めて会う日本人だ。出掛けに思い切って声をかけてみたら、当地のフィルムフェスティバルに出展参加した東京のチームだった。
『鬼が笑う』の三野監督、プロデューサーほかの集団だった。残念ながら表彰は逃したらしいが、オフィシャルセレクションに入っているから立派なものなのだろう。帰国準備にちょっと難儀していたようなので自分が知っている情報を提供した。何がしか役に立てば望外の幸せである。一行の無事を祈る。
行の便はガラガラだったが、タルトゥからの帰りの電車は満席だった。子供を除いてマスクは着けているものの、ウレタンマスクも散見される。便数は少ないので見送るわけにも行かないのでちょっと怖かった。ちなみに、タルトゥでがらがらのハンバーガーレストランに入ったら、ワクチン接種証明は求められなかった。ガラガラだったのでリスクは感じないが、タリンとは違う空気が流れていた。