宇宙に関わる情熱的な研究者に会ったのは23歳の時だったと思う

リアルタイムでは参加できなかったが中須賀真一氏の講演を聞くことができて感激した。

1983年だったと思う。当時、東京サイエンティフィックセンター(TSC)というIBMの研究施設で学生研究員だった。香田正人氏の指導を受けて、ランドサットイメージの解析をさせていただいた記憶がある。もう遠い過去なので、記憶があやふやだが、その時に中須賀氏と接点があった。ソーラーセイルの話は確かその頃に中須賀さんに教わった。何か、常人にはない輝きを感じたのを思い出す。残念ながら、その後ずっとやり取りする間柄にはなれなかったが、ずっと気になってきた人である。TVで突然見かけたこともあるし、近所のアマガサキという剥製店があったあたりの小さなビルにラボを持たれていたのも知っている。数年前にLuciadとの関わりを持つ話を持ち込まれた時にも彼のことを思い出した。

先程、ようやくSSIL設立シンポジウムの基調講演の録画を聞くことができたのだが、この講演は私にとってとてもインパクトがあった。ぜひ、視聴をお奨めする。YouTube日本語だから、再生速度を1.5倍にしても十分聞き取れる。それなら15分程度で聞き終えることができる。私がキーワードとして良いと感じたのは低軌道コンステレーションだ。小さな衛星でやがて落ちても被害は生じないだろう。安価で、世代交代も進められるから進歩のスピードが早い。10年も経てばとんでもなく高機能にバージョンアップしているだろう。改めて何かできることがないか考えてみようと思ったのであった。

彼と接点があった頃、私は数学、論理の力とソフトウェアを結びつけて、人工知能におぼろげな関心をもっていた。当時はアンドロイドが作りたいと思っていた。TSCで会った早稲田のチームはロボットの研究を行っていて、確か三軸制御の話をやっていて指導者が違うのに何か親しみが持てて今でも関係が続いている。とは言え、父の意向もあって私は研究者の道を諦めてソフトウェアハウスに就職した。ただ、未練があったのでずっとアカデミアの世界とは関わりを続けている。何の貢献もできないが、ACM、IEEE、情報処理学会の会費は今も払い続けている。

古い記憶と新しい情報が組み合わされると、時に無謀な野心が刺激される。

※画像は準天頂衛星のサイトから引用させていただいたもの(少し古い)