PCR陰性は『感染していないことの証明』にはなりません

hagi に投稿

今日も散歩に出た。初詣の人は多くなかったが、少数でもなかった。そして、参拝客がマスクをして会話をしない状況であれば初詣自身では感染が拡大する可能性は高くないと思う。

一方で、開いている喫茶店には結構多くの人が入っていた。初詣に限らないが、複数の人が連れ立って出かければ、どこかに寄り道したくなる。お店に入って、マスクを外せばウィルスは拡散する。ある程度の暴露で感染してしまう。マスクをしていても咳はもちろん、会話すればウィルスは拡散する。リスクが上がるのは間違いない。

最近、PCR検査が気軽に受けられるようになって、出張前にPCR検査して陰性だった、安心した、とか、旅行のパックにPCR検査がついていて安心とか、そういう発言を時々耳にするようになった。もちろん、PCR検査で陰性であることはその時点でウィルスを出していないと考えて良いだろう。しかし「PCR陰性は『感染していないことの証明』にはならない」。

冒頭の図は今でも信頼できる情報だと思う。PCR陽性期間は他者への感染可能期間を包含しているので、PCR陽性の間は他者を感染させる可能性がある期間と見ておけば概ね安全だろう。実際には、PCR陽性でも既に感染力は失われていて遷さない時期があるのだろうが、大事をとって考えるのが適当だろう。問題は、感染していても大体3日間はPCR検査で陽性にはならないということだ。PCR検査を行った段階から、自己隔離状態に入った上で、3日間経過してもう一度PCR検査を受けて陰性であれば、まあ、その瞬間は安全と考えて良いということになる。

ただ、2つ問題があって、家族など接点が多い人が同時に同じ条件を満たさなければいけないのと、98%が感染後12日以内で発症とあることから、3日ではなく10日(12日-2日(発症前期間))自己隔離後に再PCR検査をして陰性となって始めてリスク2%以下で安全と言えることになる。それでも0ではない。あらためて強調すべきなのは、「PCR陰性は『感染していないことの証明』にはならない」だ。

上記の条件を満たす人だけが10人集まって、会食をしたとしても、既に感染が蔓延している状況(全員が感染している状態)であれば、最大18%の確率(1-0.98^10)で他者への感染が可能な人が混じっている可能性がある(もちろん、全員が感染して無発症の状態なら感染者が集まっているだけだから気にすることはない)。ともあれ、ある瞬間に無感染であったとしても会食などのウィルス暴露行為を行ったら、3日後には他人に遷す可能性のある人になっていると考えなければいけない。

やっぱり、良い子は家族以外の人には近づいてはいけないのである。どうしても会いたい場合は、お互いにPCR検査をやって10日間程度自己隔離してもう一度PCR検査をしてから会えば良い。その後お互いの家族を含む全ての人が純潔であれば家族と同等に扱って良い。まあ、10家族以上が集まるような集団で、そんな条件を満たせる可能性はほとんどゼロだろう。やっぱり、家族以外の人とは濃厚接触できない前提で社会を設計しなおさないと感染症時代には立ち向かえないと思うのである。