ベルギー、イタリアはCOVID-19の秋の波を乗り越えかけたように見える

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イギリスでは、ワクチンの接種が始まっている。現在までの報告を見る限り、ワクチンの有効性は高く、有害事象も許容範囲に見える。少し、長い目で見れば、この新型コロナは乗り越えられる病と考えても良いかも知れない。しかし、ワクチンについてはこれからまだ何が起きるかはわからないし、ワクチンによる正常化には最短でも半年はかかるだろう。世界では1日50万人の陽性者、1万人の死者が出ており、まだその数字は上昇中である。単純に200日でかけたとしても、1億人の感染者と、200万人の死者が出る。グラフを見れば分かるように、ちょっと気を抜けばあっという間に感染は広がる。日本は、他国に比べると人口比でも十分低い値を保っているが、既に欧州で移動解禁の時の平均値を越えている。心を静かにしてグラフを見直せば、日本は大丈夫と考えるのは適切ではない。

一方で、秋の感染拡大で大変な思いをしたベルギーとイタリアのグラフはワクチンがなくても相当感染拡大を抑えられることを実証している。ベルギーの対策は情報が手に入らなかったが、イタリアの方は、在イタリア日本国大使館のページから見ることができる。

22時以降翌朝5時までは、証明される仕事上の理由、必要性のある状況、又は健康上の理由に動機付けられる移動のみが許可される。いずれにせよ、一日中、仕事上、学業上、健康上の理由や、必要性がある状況、禁止されていない活動又はサービスを実施・利用する場合を除き、交通手段に関わらず、移動を控えることを強く推奨する。

全土:飲食サービス業(喫茶店、パブ、レストラン、ジェラート屋、菓子屋を含む)の営業は、5時~18時まで許可される。
感染地:飲食サービス業(喫茶店、パブ、レストラン、ジェラート屋、菓子屋)の営業は禁止される。

もちろん、爆発的な感染増加で人々のマインドが変わったというのが大きいと思うが、移動と飲食を制限すれば感染は止められると考えるのが妥当だろう。問題は、どのタイミングで緩和し、どのタイミングで再制限を行うかにある。結果から見れば、欧州は再制限のタイミング設定に失敗したと言えるし、逆に相当ひどい状態でも強烈な制限を行えば2ヶ月で抑えられることを実証したと言えるだろう。

なお、イタリアの施策を見ると、クリスマス期間をどう乗り切るかが問題になっていることが分かる。

22時以降翌朝5時まで、さらに2020年12月31日22時から2021年1月1日7時までは、証明される仕事上の理由、必要性のある状況、又は健康上の理由に動機付けられる移動のみが許可される。いずれにせよ、他の時間帯においても、交通手段に関わらず、移動を控えることを強く推奨する。仕事上、学業上、健康上の理由や、必要性がある状況、禁止されていない活動又はサービスを実施・利用する場合を除く。

2020年12月21日から2021年1月6日まで、全土において、州及び自治県を越えた移動が禁止されるほか、2020年12月25日、26日及び2021年1月1日は自治体(コムーネ)を越えた移動が禁止される。

従来と同じように過ごしたいという気持ちは自然なものだと思うが、油断は大敵である。

※画像はWHOのページから引用したもの