COVID-19第三波? 油断は禁物

hagi に投稿

11月下旬にウイーンでCoworking Europeが開催される予定である。今のところ中止のアナウンスはないが、ヨーロッパは第二波が深刻である。グラフを見ると、オーストリアは第二波の山を越えかけているようにも読めるが、1万人に1人以上の陽性者、日本の100倍という感じ。日本の第二波のピークと比較しても軽く10倍以上と半端ない。

Coworking Europe前にやや長めの滞在をしたいと考えているエストニアは、WHOのグラフ(overlay)を見る限り第二波は収束に向かっているように見える。中継地のヘルシンキが下がれば渡航を決行可能だと思う。もちろん、油断は禁物だし、日本の外務省はほとんど全世界に渡航中止勧告を出している。よくよく考えないわけにはいかないが、日本航空で航空券は普通に買える。渡航中止勧告の意味解釈が難しい。

グラフには比較対象にアメリカを足した。この推移を見る限り第三話が来ている。私は安易にトランプのせいだと考えるのは適切だとは思っていない。もちろん、科学を無視した発言をするリーダーは事態を悪化させるが、それだったら日本だってリーダーの科学軽視は学術会議問題で明らかだから、もっと悲惨になってもおかしくない。しかし、明らかにアメリカやヨーロッパ諸国に比較すれば感染を抑えられているのが事実だ。また、COVID-19の情報として高い信頼を得ているのはジョンズ・ホプキンスであり、CDCである。科学的な水準で見ればアメリカのレベルは中国の急速な追い上げがあるとしても現時点では恐らく世界一だ。つまり科学力だけでは感染を抑えられないことが実証されたとも言える。

この先どうなるかは分からないが、オーストリアはともかく、フィンランドもエストニアも7月の欧州の移動の自由の解禁後も日本より低い状態を保っていたのが9月に相当悪化した。だから、現在の状況が良いからと言って、日本は大丈夫と考えるのは現実的ではない。確実に言えるのは、一度きちんと押さえれば余裕ができるとことだ。ニューヨークはRtが1を超えて、また制限が厳しくなっているが、それでも一度かなり抑えたために何とか踏みとどまっている。

アメリカ大統領選挙の行方から目を離すことはできないが、もっと大きな構造変化が起きつつあり、それに対する拒否反応が現在の不安定さを招いていると私は考えている。時計の針を戻すような考え方ではなく、このパラダイムシフトに前向きに取り組む人が半数を超える日が早く来て欲しいと願っている。