今日、PDFにマイナンバーカードで電子署名する実験の記事に触発されて、もう一度digidoc4を触ってみた。
画面は2018年に実験しようと思って、ある人に電子署名してもらったasiceファイルにconfirm.txtという文書を付加してまとめて電子署名したものだ。Signature is validとあるように電子署名の有効性が確認されている。その緑色の部分をクリックすると以下のようなポップアップが出る。
日本での4要件(氏名、性別、生年月日、住所)は含まれていない。さらにそのポップアップの電子証明書のリンクをクリックしてサブジェクトを確認すると次のようになる。
ちなみに、前の画面で見ると署名の日付も記録されている。
当時は、ICカードに含まれている電子署名で行ったのだが、現在では、スマホアプリを用いた電子署名もできるようになっていて、その場合は、
SERIALNUMBER = PNOEE-36001130134
となる。電子証明書は異なるが、有効な署名になる。
PDFへの電子署名では印影を表示する機能があって、今までの紙文化に近い雰囲気を再現している。一方、digidoc4は文書コンテナ(Windowsのフォルダー相当)として機能し、ただのテキストファイルでもWordでも文書の本体の種別に関わりなくXAdES方式で電子署名をつけられる。中身を少しでもいじれば署名は無効になるので、印影という見た目に頼るより遥かに明確である。なれてしまえば、こちらの方が使い勝手が良いのは間違いない。
例えば、複数の写真画像を含むコンテナに署名すれば、署名者がその画像は正当なものだと表明することになる。Exifの情報が入った状態のまま署名すると嘘はつきにくい。
かつてInternet2という言葉が流行ったことがあったが、ほとんどの国では、まだInternet2どころか、1.01とかそんなレベルにいて、エストニアは歴史的幸運もあって2.0に跳び、アプリサインもモバイルサインもできるようになっている。いつのまにか2.01...と成長しつつあるように見える。
文化を守るなどといって技術進化に抵抗すれば、確実に取り残されてしまうことになるだろう。同時に、文化には守る価値がある。基本4要件はさっさと見直した方が良いし、ハンコは日常的にはいらなくなるのが自然。そのうえで、ハンコ文化を守ることは考えて良いと思う。
時代は確実に変わる。短期的にはともかく、時計の針を戻すようなことはできはしない。徒花のプロビジネス政策はやがてメッキが剥げる。