SDGs 目標5: ジェンダー平等を実現しよう のGender gap in minutes spent per day doing unpaid workが興味深い

エストニアの事を学んでいてSDGsのダッシュボードで日本や他国と比較していたら、Gender gap in minutes spent per day doing unpaid workという項目があるのに気がついた。1日の中で、お金にならない労働時間の男女差を見るというものだ。

日本は、183.5分。つまり、平均を取れば女性は男性より3時間家事労働を多くしているという事になる。エストニアは89分。SDGs Goal5で世界で唯一グリーンのノルウェーは、58.9分。スウェーデン52.5分、デンマーク56.7分。アメリカ93分、ドイツ91.9分、韓国182.3分。

SDGs 5 - Norway
↑ノルウェーの値

SDGs-5 Estonia
↑エストニアの値

SDGs-5 Japan
↑日本の値

専業主婦率を加味しないと分からない部分はあるが、日韓には家事は女性がするものという常識があってジェンダー平等は構造的に難しい状況にあることが分かる。日本の経済は女性の無給労働で支えられているとも言えるが、そういうモデルが時代遅れで少子化を招き国を衰えさせている可能性も否定できない。北欧で1時間以内におさまっているのはさすがだと思うが、ドイツやアメリカでも概ね1.5時間で日韓の半分である。unpaid workに値段をつける必要があると考えるべきだと思う。例えば、要介護認定を受けている同居の家族にはお金が支払われても良いはずだし、育児労働にも値段がついて良い。

もっと直截的な指標としては、Gender wage gapがある。

日本は24.5%、エストニアは28.3%、ノルウェーは7.1%、アメリカは18.2%、韓国は34.6%、ドイツ15.5%、スウェーデン13.4%、デンマーク5.7%。

エストニアは日本より差が大きい。あくまで私感だが、エストニアは若い国で、高齢者貧困率も高く、今はとにかく経済成長を優先、まだ平等より成長を指向しているように見える。しかし、私の少ない訪問経験、接点で見ている限り女性は元気でジェンダーギャップは感じない。議員の女性比率が26.7%と上昇傾向にあり、10.1%横ばいの日本とは異なり、ギャップは減少傾向にあるようで、女性はこれから平等は進むと感じているのだろうと思う。

コワーキングシーンで考えるとLIFT99のようなガレージっぽいスペースは男性的な匂いが強い。多少汚くても、割と平気で徹夜してガンガン働く感じ。しかし、短距離走的な仕事の仕方ならともかく、ある程度中長期で見れば、清潔で居心地の良さという軸での継続的な改善が織り込まれていなければ持続性が無い。それは労働生産性を極大化させるスペースとも違う。コワーキングの時代は多様性を許容する空間設計が重要になるだろう。

タリンには90年代からのシリコンバレーのガツガツ感が垣間見られるのが魅力だが、同時に北欧的な成熟を手本とする美しさも感じられる。西欧、北欧の国々を模範としつつ、新しい国の強みを生かそうとしている姿に魅力を感じる。

良い隣人関係を確立したいと願う。