来年の夏は、タリンで過ごす

写真は2014年11月の凍り付くほど寒かったタリン

一度、異国の地で長期滞在しつつ執務を継続してみたいと思ってきた。

先日、ついにやって見る事を決めて、エストニアのタリンの市内にbooking.comを利用してアパートを2020年7月20日から一か月借りた。これはユビキタスライフスタイル研究所の業務として行うものだ。本当は3か月を目指すのが良いと思っているのだが、果たして完全な異国勤務が本当に機能するのか確認する上で、リスクを考慮し1か月を期間とする事にした。家賃は、約18万円で決して安くないが、準備や実際を開示できる範囲でレポートにまとめて発表していこうと考えている。

昨年エストニアでe-residentになったので、非居住のまま法人を設立できる。遅くても来年の6月までには、ユビキタスライフスタイル研究所のエストニア法人を設立し、EUのホスティングサービスを使って、tri-lingualのサイトを立ち上げたい。企業の記録、活動の様々を協力者の助けも借りてできるだけ3か国語で発信してみたいと思っている。どこまでできるかはやって見ないと分からないが、とにかく1日最低30分はエストニア勤務に向けた準備に費やそうと思っている。

ワーケーションとか移働といった言葉も使われるようになったけれど、やはりその土地に属するというか、構成要員の1人にならないと、分からないことは多い。もちろん、1か月では足りないが、採算を成り立たせられるようにして毎年1か月以上滞在するようになれば、5年程度で街の一部になれる可能性があると思っている。彼の地のローカルな企業を設立すれば、東京にいる時はその会社のリモートワーカーという位置づけになる。常に住んでいなくても、つながっている事は可能だろう。

やって見なければ分からない。悲惨な失敗に終わるかも知れない。それでも第一歩を踏み出してみようと思う。

タリンに実際に訪問したことは過去2回しかない。最初は2014年の11月の終わりで、極寒の体験だった。IT先進国と聞いていて、Kioski(キオスク)でSIMは売っていたのだが、おばさんは説明できなかった。ストックホルムではセブンイレブンでアクティベーションからサポートしてくれていたのと比較すると構想と実態に乖離があると感じた事を思い出す。また、当時は物価も安く少し貧しさを感じる街だった。

e-residentダッシュボードのサイトを見ると、2014年末のe-residentは114人。夜明け直後の景色だったのだろう。2019年の直近第35週は59,340人、100人以上のe-residentがいる国は5千人越えのフィンランドを筆頭に、韓国の103人の26カ国。日本は2,874人で7番目だ。昨年2018年末に訪問したタリンははるかに活気があって、物価も高まっていて、90年代のベイエリアの匂いがした。美しい旧市街と勢いのあるベンチャー文化がより魅力的な都市に変えているように感じた。

私は、この約6万人のe-residentの中から、できれば26ヶ国以上、100人以上の人と一緒に問題解決に取り組めないかと考えている。エストニアの人に手伝ってもらいながら、e-residentに挑戦するようなグローバルな思考に立つ人たちと新たなライフスタイルの確立に挑戦したいと思っている。

今は、グローバリゼーションには逆風が吹いているけれど、私は一時的なものだと思っている。長い目で見れば、ローカルを大事にしながら、グローバルに人と人とがつながって行く方向に動いていると信じている。