Flexible officeの台頭

イギリスの不動産業者のSavillsから、ポーランドでFlexible officeが急成長しているというレポートが出ている(紹介記事はこちら)。Share in gross take-upは、総増床に占める割合と捉えれば良さそうなので、新規のオフィス需要において無視できない量になっているのが分かる。

savills Flexible Work Places in Poland - Flexible offices take-up in 2017

ロンドンが約2割と高いのは、Brexitで長期レントが考えられないからと考えれば分かりやすいし、ベルリンはコワーキングスペース発祥の地(他説あり)で納得感がある。アムステルダムがtake-upシェアで5%を越えてきているのも自由な都市というイメージと合致するが、ワルシャワがスペースの広さが大きい事もtake-upシェアでも大きいのは正直に言って違和感がある。

一昨年、ワルシャワでコワーキングスペースを探した時は、見つけるのにそれなりに苦労したので、かなり意外なデータである。

いずれにしても、欧州では、急速にFlexible officeはあたり前のものになってきているのが分かる。レポートの対象は欧州だが、もちろん米国でも急速に当たり前の選択の一つになりつつある。

日本でもそれなりに伸びているとは思うのだが、何かいつまで経っても特別感があって、例外的な扱いになっている印象が強い。何が違うかと考えた時に思い当たるのは多様性に対する抵抗感の差があるように感じる。どの国に行ってもその国の人だけに閉じた世界は存在し、排他的な匂いがぷんぷんする集団はある。それでも、もう自分たちだけでやっていけないと思っている人の比率が違うように感じるのである。

あくまで、私の印象だが、ワルシャワは国際都市ながらちょっと閉鎖性が匂うように思っていた。しかし事態は変化しているようである。

ちなみに紹介記事の方では、以下のような定義を行っている。

Serviced office – a form of a flexible office providing fully furnished and equipped office space with full administrative and maintenance support, rented for a short period.

Coworking space – a form of a flexible office designed to create an atmosphere that fosters cooperation between users, frequently coming from various sectors. Coworking space is actively managed to foster collaboration by organizing events and activities supporting mutual learning.

サービス(ド)オフィスはFlexible officeの一形態で、家具付きですぐ使いえるオフィススペースを管理機能、メンテ機能込みで短期レントでサービス提供するもの、
コワーキングスペースはFlexcible officeの一形態で、イベントや相互の学びをサポートするような活動でコラボレーションに資する様々な人が集まる場所と位置付けられている。

ある時、日本でも突然臨界点を越え、Flexible office形態が一気に進むのだろうと予想している。しかし、それがいつのタイミングになるかは全く予想がつかない。