監査役退任

本日2025年8月28日をもって株式会社MIERUNEの監査役を早期退任した。

就任は2023年8月28日から4年間の契約であったが、経営体制が変わったこともあり、一身上の都合で退任を申し出た。

まず最初に述べておきたいのは、MIERUNEが奇跡的なまでに素晴らしい会社だという点である。30人強のメンバーなのに籍的にも技術専門性視点でも多様性が高く、使命達成意識が極めて高く、しかもその達成のために助け合っている姿が麗しい。60歳を過ぎてから、MIERUNEの役員として関われたことに心から感謝している。

前職で上場会社の取締役を9年勤めて、監査役との会合をもった経験は多いが、監査役に就くのは初めてだった。就任決断前に監査役ハンドブックを買い、かつて与えられた取締役ハンドブックを再読し、監査役経験のある複数の知人と話した上で就任を受諾した。監査法人、幹事候補証券会社との契約があったので、会計知識が不足していても担えると考えたからだ。実際に着任してみると、社歴10年未満のベンチャーなのにかなりしっかりとした運営がなされていた。もちろん、未熟なところはあり、原価計算やBS視点での管理、リスク分析能力のテコ入れは避けられなかった。最大の難所は技術部門のプロエクト管理、採算管理と経理部門の会計管理のギャップだった。明らかに、技術部門の管理の方に優れた特徴があるのだが、技術側には会計の知識が不足していて、バックオフィス業務の属人性が高かった。監査役視点で見ると、そこにリスクがあるのは明らかだった。現在は体制強化もあってかなり良い状態に変わっているが、制作側と経営・管理側のさらなる連携強化が期待される。

2年間の学びは多かった。心から感謝している。

2年間で札幌には約30回通った。最初に札幌に通ったのは、40年ほど前で北大で情報処理学会全国大会だった。そこで当時所属していた会社のグループ会社にいた創業メンバー大先輩に会って、自分の人生が少し変わったのを思い出す。通い始めて感じたのは交差点の表示の違和感だった。碁盤の目で整備されている道の交差点の看板が東向きに見るのと西向きに見るので違うのだ。東京だと例えば団子坂下という交差点があって、どの方向から見ても同じ看板なのだが、札幌だと南3条西6丁目と南3条西5丁目という看板が同じ交差点についている。わかってしまえば、とても合理的なのだが、違和感は大きかった。南北は通りの名前で、東西は丁目なのだ。そういう驚きもあったが、飲料店などは東京より多様性が小さい。思っていたより、東京と同じブランドが多かった。

もともと、私を誘って下さった方も今日で退任。彼との出会いも、かつて同僚だったベンチャー会社の社長からいただいた地理空間情報のベルギーのベンチャービジネス(やや軍事より)のセールスエンジニアの役割を担っていた時のことだった。そういった、たまたまの出会いの時に人間力がでる。MIERUNE創業者の彼の懐は広かった。

これから、彼の人生が、私の人生が、MIERUNEの将来がどうなるかは神のみぞ知る。

ここから、また私の新たな歩みが始まることに感謝したい。

※この記事は、MIERUNEの私と彼の退任を伴う、新体制が公知の事実になるまで公開できなったことをお断りしておきます。

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