生成AIと脳~この二つのコラボで人生が変わる~読了。図書館で同時に2冊が貸し出しとなったので、爆速読み
著者は10年年下の薬学博士で専門分野は神経生理学。学生には、生成AIを使ってレポートを書くことを必須にするとか、AIで生成して丁寧にチェックした試験問題を使って評価したら合格率が激減したなど、実践的なAI研究者でもある。
特に印象に残ったのは、第3章『「私」よりも「私」のことを知る存在』(P155)で最適解の考察を行い、視野が狭いだけではなく自尊心が負に作用していることを述べている点、第4章『生成AIが抱える10の問題』(P187)で「今まで以上に人間側の努力が問われる」という提言であった。
何を求めるかが問われるわけで、勝つことを至上価値に置くと、破壊的になるのは明らかだが、そういう誘惑に負けてしまう人はいる。多分トランプやプーチン、安倍もそうだろう。勝てなければ明日はないという現実もある。
ヘランケラーに触れて、学習とは何かを考察した部分にも考えさせられた。
いずれにしても、ツールとしてのAIに意識を払わないわけにはいかないと思わされた。
技術の進化が激しいので、この書籍の半分近くはあっという間に時代遅れになるだろうが、2024年にこういう本が書かれたという事実は歴史に残るだろう。